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交通事故で弁護士に依頼して後悔しないために

最終更新日 2024年 07月12日


私は弁護士として、これまで交通事故の被害者の方に「弁護士に相談・依頼をしてください」とお伝えしてきました。
それは、次の理由などからです。

・被害者の方の後遺障害等級が正しいかどうかの判断ができる。
・間違った後遺障害等級が認定されていたら、異議申立をして正しい等級認定を申請できる。
・慰謝料などの示談金(損害賠償金とも保険金ともいいます)の増額を勝ち取ることができる。
・弁護士が代理人となることで、被害者の方は難しく、煩わしい保険会社との示談交渉から解放される。

これらは、弁護士の仕事であり、使命だといえます。

しかし、状況によっては、弁護士に依頼したことを後悔するケースがあります。
被害者の方が損をしてしまう場合です。

一見、矛盾した話のようですが、どういうことなのか? これから詳しくお話ししていきたいと思います。

交通事故で弁護士に依頼して後悔した被害者のお話


交通事故の解決のため、弁護士に依頼をしたのに後悔する典型的な事例として、Nさん(38歳・男性・会社員)のケースをお話しします。

ある休日、Nさんは愛車で買い物に出かけました。

帰り路、赤信号で信号待ちをしていると、突然、後ろから大きな衝撃を受け、身体が大きく前後に揺さぶられました。
一瞬、何が起きたのかわからなかったNさんですが、すぐに「追突された」と気づき、自動車を路肩に移動し、加害者の確認を行ない、警察に通報しました。

その後、加害者側の保険会社から連絡がきて、担当者が決まったこと、病院での治療費は保険会社が負担することなどが伝えられました。

Nさんのケガの診断名は頸椎捻挫、いわゆる「むち打ち症」でした。
当初は、それほど痛みもなく、軽く考えていたそうですが、次第に首を曲げることができなくなり、頭痛やめまい、吐き気などが起きてきたといいます。

Nさんは怒りがこみ上げてきました。
そして、こう思いました。
「なぜ自分がこんな目に合わなければいけないのか…自分は運がない…」

治療は、思いのほか長引いてしまいました。
約5か月後、保険会社の担当者から、「そろそろ症状固定としてください。治療費の支払いを打ち切ります」との連絡が。

困ってしまったNさんは、友人から紹介された弁護士に相談し、そのまま対応を依頼しました。

交通事故被害は初めての経験だったこと、自分がわからないことは専門家に依頼したほうがいいという考えだったからです。

しかし示談解決後、弁護士からの請求書を見たときに、Nさんは後悔することになってしまいました……。

 

なぜ交通事故を弁護士に相談・依頼するべきなのか?


交通事故の示談交渉について、次のように感じる人がいると思います。

「自分にもできそうだ」
「自分で示談交渉をしないと納得ができない、気が済まない」
「弁護士に報酬を支払うのであれば、自分で解決したい」

実際、ご自身で示談交渉を行なったものの、どうしても加害者側の任意保険会社と条件で折り合わず、みらい総合法律事務所に相談に来られる被害者の方が多くいらっしゃいます。

また、当法律事務所の無料相談を利用して、「自分で交渉してみる」と言ったものの、示談交渉がなかなか進まず難航し、結局、依頼される被害者の方もおられます。

では、なぜ交通事故問題の解決は弁護士に依頼するべきなのか。

後遺障害等級の異議申立

後遺症が残り、後遺障害等級を受けた場合に、認定された後遺障害等級に納得がいかない時は、どうしたらいいのでしょうか?

じつは、後遺障害等級は正しく認定されるとはかぎりません。
どういうことでしょうか?

後遺障害等級認定の方法には、「被害者請求」と「事前認定」があります。

被害者請求

直接、被害者ご自身が、加害者が加入している自賠責保険会社に後遺障害等級申請し、同時に損害賠償請求する方法。

事前認定

被害者の方が、直接申請するのではなく、加害者が加入している任意保険会社を通して請求する方法。
任意保険会社が、被害者の方との示談の前に、事前に後遺障害等級認定を確認しておく手続のため、事前認定という。

ところで、後遺障害等級の最終的な認定を行なうのは、自賠責保険の取り扱い会社でも、任意保険会社でもありません。
保険会社が損害保険料率算出機構(損保料率機構)に申請し、この機関が認定を行ないます。

その際、損保料率機構は提出された書類や資料からのみ判断します。
ということは、これらの書類や資料に不備や不足があると、そのまま認定作業が進んでしまい、本来よりも低い等級が認定される、あるいは等級が認定されない、ということがあり得るわけです。

そうした場合、被害者の方は「異議申立」をすることができます。

ただし、必要書類や資料は専門的なものになるので、まずは弁護士に相談し、異議申立の申請を依頼されるのが良いと思います。

弁護士基準を主張する

そもそも、慰謝料というのは、被害者の方の精神的苦痛や損害に対して支払われるものなのですが、じつは慰謝料は1つではなく、 4種類あるのです。

  1. 入通院慰謝料(傷害慰謝料)⇒傷害(ケガ)の治療のために入院・通院したときに支払われる
  2. 後遺障害慰謝料⇒後遺障害が残った場合に、認定された等級によって支払われる
  3. 死亡慰謝料⇒被害者の方が亡くなってしまったときに支払われる
  4. 近親者慰謝料⇒ご家族・ご遺族に支払われる

よくわかる動画解説はこちら
【交通事故】慰謝料の全て(傷害、後遺障害、死亡)弁護士解説。

保険会社の提示額はかなり低い!?

では次に、金額はどうでしょうか?
おそらく、慰謝料額などが適正なものかどうか正確には判断できないと思いますが、「金額が低いのではないか」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

その感覚は間違いではありません。
じつは、保険会社の提示額は被害者の方が受け取るべき金額よりかなり低いことが多いのです。

株式会社である保険会社は営利法人ですから、利益を上げるために、被害者の方への示談金(保険金)をできるだけ低く抑えようとします。

そのため、適切な金額の2分の1や3分の1、さらには10分の1以下などという金額が提示されるケースもあるのです。


慰謝料などの計算で使われる3つの基準

では、なぜ保険会社の提示額が低くなるのかというと、慰謝料などの計算で使う基準が違うからです。

慰謝料などの計算では、次の3つの基準が使われます。

  1. 自賠責基準⇒もっとも金額が低くなる
  2. 任意保険基準⇒自賠責基準より少し金額が高くなる
  3. 弁護士(裁判)基準⇒もっとも金額が高くなる

自賠責基準とは、自賠責保険で定められているもので、慰謝料はもっとも低くなります。
なぜかというと、加害者を介することなく直接、被害者の方が最低限の損害賠償金を受け取ることができるようにするために、自賠責保険が設立されたからです。

☑任意保険基準とは、各損保会社が独自に設定しているもので(非公表)、自賠責基準より少しだけ高い金額になるように設定されています。

弁護士(裁判)基準とは、過去の膨大な裁判例から導き出されているもので、金額がもっとも高くなります。

慰謝料自動計算機を使ってみてください!

みらい総合法律事務所では、すぐに使えて、簡単に慰謝料などの損害賠償額を知ることができる「慰謝料計算機」をWEB上にご用意しています。

加害者側の任意保険会社から示談金の通知書が届いたら、慰謝料自動計算機で出てきた数字と比較してください。
保険会社の金額が、かなり低いことがおわかりいただけると思います。

この自動計算機で出た結果をもって、当法律事務所に相談にいらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。

保険会社が言うとおりの低い金額で示談してしまって、あとから後悔している方が多くいらしゃいます。

まずは一度、ご利用ください。

保険会社の提示額に納得いかなければ示談交渉開始

加害者側の任意保険会社からの提示額で被害者の方がよければ示談成立となり、交渉には入りません。
しかし、納得がいかないのであれば示談交渉を開始して、慰謝料などの損害賠償金の増額を主張していきます。

ただし、ここでは交通事故の損害賠償実務の現実を知っていただきたいのですが、じつは被害者の方がいくら増額を主張しても、保険会社はそれを受け入れることは、まずありません。

なぜなら、次のような理由があるからです。

・被害者の方は、弁護士(裁判)基準で計算した金額を提示できないから。
・裁判を起すには弁護士が必要なので、弁護士が示談交渉に出てくるまでは弁護士(裁判)基準で計算した金額を受け入れる必要はないと考えているから。

 
通常、被害者の方は弁護士(裁判)基準を知らないので、ただ「金額が低い、増額してほしい」と主張しても、根拠がないので保険会社は取り合わないのです。

また、示談交渉に弁護士が入ってくると、最終的には裁判を起され、弁護士(裁判)基準の金額を支払うことになる可能性が高いことを保険会社はわかっています。
そのため、弁護士が被害者の方の代理人として交渉に入ってこない限りは、増額の主張は受け入れない、というわけなのです。

 

弁護士に依頼して後悔しないために大切な3つのこと

冒頭でご紹介したNさんの事例から、交通事故で弁護士に依頼して後悔しないために大切なことをお話しします。

「費用倒れ」で後悔しないように!

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼すると、慰謝料などの損害賠償金が増額する可能性がかなり高くなります。

実際、みらい総合法律事務所でも多くの事案で増額を勝ち取っています。

ただし注意が必要なのは、費用倒れになるケースがあることです。

費用倒れというのは、物損事故やケガの程度が軽い事故の場合、損害賠償金は増額したものの、そもそもの金額が低いため、弁護士報酬などを支払ってしまうと、被害者の方の手元にお金が残らないばかりか、マイナスとなって費用を持ち出さなければいけなくなるケースのことです。

これでは、弁護士に依頼する意味がなくなってしまいます。

その点、みらい総合法律事務所では、まず無料相談をお受けして、そこで被害者の方から詳細をお聞きして、費用倒れになる場合はその旨と、受任できないことをお伝えしています

冒頭の事例では、弁護士が費用倒れになることを知らなかったのか、知っていて伝えなかったかのどちらかになります。

ですから、交通事故を弁護士に依頼する際は、費用倒れに注意が必要なのです。

最新の解決実績はこちらから

交通事故に詳しくない弁護士に依頼して後悔しないように!

弁護士に依頼する場合に注意していただきたいのは、交通事故に強い、損害賠償実務に精通した弁護士に依頼するべき、ということです。

Nさんは、友人から紹介された弁護士に依頼しました。

確かに、普段の生活では弁護士に依頼するような出来事にあうことは、それほど頻繁にあることではありません。
交通事故というのも、人生で何度も経験するものではないですから、初めての経験という被害者の方がほとんどでしょう。

ですから、どの弁護士に依頼すればいいのかわからず、紹介された弁護士に依頼することもあるでしょう。

しかし、餅は餅屋ということわざがあるように、その道のことは専門家に相談することが大切です。

交通事故に詳しくない弁護士では、自賠責後遺障害等級認定が正しいかどうか判定するのも難しいですし、交通事故の判例を調べて勉強しながら事件を扱うことになってしまいます。

実際、すでに弁護士に依頼しており、その弁護士から「この金額で示談してはどうか」とすすめられて、その後当事務所に弁護士を変更したところ、大きく増額した事案もあります

信頼できない弁護士を変更しないで後悔しないように

弁護士といっても、さまざまなタイプがいます。

被害者の方としても、このように感じることがあると思います。
・質問しても、きちんと答えてくれないし…納得できない。
・態度が高圧的だし、相性が合わない気がする。
・弁護士費用などお金の話ばかりするので、どうにも信頼できない

このような場合は、セカンドオピニオンとして、他の法律事務所に損談してみる、他の弁護士の話を聞いてみることをおすすめしています。

やはり、ご自身が納得できて、信頼できる弁護士に相談・依頼をするのがベストな選択だと思います。

みらい総合法律事務所では、年間1000件以上のご相談をお受けしており、これまで多くの事案で慰謝料などの増額を実現しています。

随時、無料相談をお受けしていますので、まずは一度、ご相談下さい。

動画でも解説しています。

 

監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠
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