交通事故の示談成立までの期間を短縮する方法
交通事故が起きた場合、示談交渉が行なわれます。
示談交渉とは、被害者の方が被った損害について、その賠償額や支払い方法などを決めるため、被害者と加害者との間で行なわれる話し合いです。
示談交渉により合意に至った場合には、示談書を締結して、賠償金が支払われ、交通事故は解決となります。
示談交渉は、できるだけ時間をかけずに、速やかに解決したいと思う人が多いと思いますが、そう簡単に解決できない場合が多々あります。
なぜ、示談交渉は長引いてしまうのでしょうか?
そこには秘密があります。
そして、交通事故の示談までの期間を短縮する方法はあるのでしょうか?
この記事では、そのあたりを解説します。
目次
- 1 交通事故発生から示談成立までの流れを確認
- 2 示談成立までには、どのくらいの期間がかかるのか?
- 3 なぜ示談交渉は長引いてしまうのか?
- 4 示談交渉を早く解決したいなら保険会社の言いなりになるしかないのか?
- 5 示談交渉で本当に大切なこととは?
- 6 被害者がひとりで示談交渉しても解決できない!?
- 7 弁護士が示談交渉に入ると損害賠償金が増額する理由
- 8 どうすれば示談交渉の期間を短縮できるのか?
- 9 示談交渉は交通事故に強い弁護士に依頼するべき!
- 10 弁護士費用は高額なのか?被害者が損をしない方法とは?
- 11 弁護士に相談・依頼するにもベストのタイミングがある
- 12 “慰謝料の自動計算機”で自分の受け取り額を確認!
交通事故発生から示談成立までの流れを確認
通常、交通事故が起きてから示談が成立するまでには次のような流れで手続きなどが進んでいきます。
①交通事故が発生
↓
②事故状況や相手(加害者)の身元の確認
↓
③警察へ通報、実況見分調書などの作成に協力
↓
④加害者、被害者双方の保険会社へ通知
↓
⑤ケガの治療(入院・通院)
↓
⑥症状固定の診断により治療完了
↓
⑦後遺障害等級の認定(不満があれば異議申立)
↓
⑧賠償損害額確定(加害者側の保険会社から提示)
↓
⑨示談交渉
↓
⑩示談成立で慰謝料の受け取り
↓
⑪示談が決裂した時は紛争処理機関や法的機関へ相談
↓
⑫弁護士に依頼し裁判での決着へ
こちらの記事もご確認ください。
示談成立までには、どのくらいの期間がかかるのか?
ケガ(傷害)の場合には、治療が終了した後(後遺症が残った場合には自賠責後遺障害等級が認定された後)に、被害者の方に加害者側の保険会社から慰謝料などの損害賠償額の提示があります。
この時点で金額に納得して示談書や免責証書という書類に署名押印をすれば、すぐに示談成立です。
あとは示談金が振り込まれるのを待つだけとなります。
しかし、提示された金額に納得がいかなければ、示談交渉がスタートすることになります。
一概にはいえませんが、示談交渉はすぐに解決する場合もありますし、被害者によっては、何年も交渉が続いているケースもあります。
交通事故は、それぞれが別々のものですから「一律にこの期間で解決します」とはならないということです。
なぜ示談交渉は長引いてしまうのか?
交通事故の損害賠償問題の解決には、次の3つの方法があります。
- ・示談
- ・調停
- ・裁判
示談とは、話し合いによって被害者と加害者が和解することで解決を目指すものです。
しかし特に、被害者の方が重傷を負った場合では賠償金額は高額になるので、示談交渉が難航していくケースは多いものです。
なぜかというと、保険会社が提示してくる示談金の金額は、本来であれば被害者の方が手にすることができる金額よりも低い場合が多いからです。
じつは、損害賠償金の算出には3つの基準があります。
「自賠責保険基準」、「任意保険基準」、「弁護士(裁判)基準」です。
自賠責保険基準 | 必要最低限の金額が設定される |
任意保険基準 | それぞれの保険会社の基準により損害賠償額が提示される |
弁護士(裁判)基準 | 示談では解決できずに裁判まで進んだ時に弁護士が保険会社に提示する金額の基準 |
金額は、弁護士(裁判)基準 > 任意保険基準 > 自賠責保険基準の順で高くなります。
ですから、弁護士(裁判)基準で認められる金額が、本来は被害者の方が手にするべき損害賠償金額となるわけです。
ではなぜ、保険会社は、裁判所で認められる基準である弁護士(裁判)基準ではなく、もっと安い自賠責保険基準や任意保険基準で算出した示談金の提示をしてくるのでしょうか?
それは、保険会社は被害者を守る存在ではなく、被害者と利害が反する存在だからです。
多くの損害保険会社は株式会社ですが、株式会社という法人は、その存在自体が営利を目的とした存在であり、利益を出すことを経営目的にしています。
利益を出すためには、売上を増加させ、支出を減少させなければなりません。
この支出を減少させる、という部分がポイントです。
交通事故の被害者に対する示談金の支払いは支出であり、しかも大きな支出となります。
したがって、交通事故の被害者に対する示談金の支払いを減らせば減らすほど、保険会社の利益が増える、という構造になっています。
当然のことながら、示談金の支払いを減らそう、減らそうとする力が働いてしまうのです。
ということは、保険会社は被害者の方の利益になるように考えてはくれないということになります。
これが、交通事故においてスムーズに示談交渉が進まず、長引いてしまう理由です。
示談交渉を早く解決したいなら保険会社の言いなりになるしかないのか?
示談交渉では、保険会社の担当者はこんなことを言うこともあります。
- 「当社の正しい基準に基づいて提示しているので、これ以上の金額は出せません」
- 「裁判を起こしたとしても、これ以上金額は上がりませんよ」
- 「そちらにも事故の過失があったのだから、この金額は妥当です」
- 「裁判をするならしてください、こちらも徹底的に争いますから」
被害者の方は、後遺障害と事故のトラウマに苦しんだまま交渉をしなければいけません。
肉体的、精神的な苦痛を抱えたまま示談交渉を続けていくのは、とてもつらいことです。
ですから、「示談を長引かせたくない」、「早く解決したい」と思うのは当然のことでしょう。
示談交渉を長引かせず、早期に解決したいなら、保険会社の言いなりになって、低い損害賠償金額の書かれた示談書にサインをするしかないのでしょうか?
交通事故の示談交渉は、金額が大きくなればなるほど、被害者と保険会社との金額の開きが大きくなります。弁護士に相談しながら進め、損をしないようにしましょう
示談交渉で本当に大切なこととは?
人の好みは十人十色というように、価値観も人によってそれぞれ違うものです。
示談交渉の解決において、何が本当に正しいことなのかは一概にはいえないものでしょう。
しかし、これまで多くの交通事故の被害者弁護に当たってきた私たちは、被害者の方には示談交渉をできるだけ早く終わらせることを考えるよりも大切なことがあるはずだと思うのです。
それは、被害者の方は権利を正しく行使して、納得のいく、適切な金額の損害賠償を受け取り、未来への希望を手にするべきだということです。
交通事故というまさかの出来事で、人生が大きく揺れ動き、肉体的、精神的に苦しんでいる被害者の方は、これ以上苦しむ必要はないのです。
後遺障害が残った時の損害賠償金は、後遺症によって失った健康の値段です。
死亡事故の場合は、大切なご家族の命の値段です。
妥協してはいけないのです。
被害者がひとりで示談交渉しても解決できない!?
交通事故の示談交渉においては、被害者の方と保険会社との利害が反することはご理解いただけたと思います。
そして保険会社は、弁護士(裁判)基準より低い自賠責保険基準や任意保険基準で示談金を提示してくることが多いこともおわかりいただけたと思います。
保険会社の担当者もプロですから、素人が交渉しても、なかなか適正額まで譲歩してくれるものではありません。
だからといって、交通事故の被害者の方が妥協して低い示談金額で示談していいわけはありません。
では、どうすればよいのでしょうか?
じつは、交通事故の被害者ご本人が交渉しても、いつまでも示談金が増額されないのに、弁護士に依頼したら、スッと増額する、というケースが多数あることをご存じでしょうか?
これには秘密があります。
弁護士が示談交渉に入ると損害賠償金が増額する理由
まず、保険会社の論理として、なるべく示談金額を低くしようという組織の力が働くことは説明しました。
しかし、裁判になると、弁護士(裁判)基準による高額の賠償金を支払わなければならず、かつ、裁判では保険会社が依頼した弁護士費用の負担も発生します。
さらには、裁判で判決までいくと、事故時からの遅延損害金や被害者側に認められる弁護士費用相当額という賠償金以外の金銭支払いもしなければならなくなります。
したがって、できるだけ裁判にせずに、低い示談金額で解決したい、というのが本音となってきます。
ここで、被害者の方が弁護士に示談交渉を依頼したら、どうなるでしょうか?
弁護士が保険会社と示談交渉をしますが、保険会社がいつまでも任意保険基準にこだわって譲歩しなかったら、弁護士はすぐに裁判を起こすでしょう。
そうすれば、適正金額の支払を求める判決が出るので、保険会社としては、それは避けたいところです。
となると、被害者の方の代理人として弁護士が出てきた場合には、保険会社はある程度譲歩してでも示談解決をしたいというのが自然な考えとなります。
ここにおいて、被害者の方が弁護士に依頼し、弁護士が代理した途端に示談金額が増額される、という事態が発生することになるわけです。
では、被害者ご本人が示談交渉をしている時は、なぜ示談金額が増額されないのでしょうか?
それは、被害者ご本人では裁判を起こせず、弁護士に依頼せざるを得なくなるためです。
法律では本人でも裁判を起こせますが、実際問題としてそれは難しいでしょう。
そうだとすれば、保険会社としては示談金額を増額するにしても弁護士が出てきてから増額すればよいのであって、被害者本人と交渉している間は増額しなくても、いきなり裁判にはならない、と思っても不思議ではありません。
これが、弁護士に依頼すると増額しやすいという理由です。
どうすれば示談交渉の期間を短縮できるのか?
これまでお話してきたことから考えると、次のことがいえると思います。
結局、示談交渉に入った時には、弁護士に依頼した方が適正額で、しかも早く解決する。
適正額より低い金額でもよければ、弁護士に依頼する必要はありませんが、経験上、多くの場合では、保険会社の提示する示談金額は適正なものではありません。
そして、被害者本人がいくら交渉してもなかなか増額しない、ということであれば早めに弁護士に相談・依頼してしまった方が結果的に早く解決する、ということになります。
示談交渉は交通事故に強い弁護士に依頼するべき!
ただし、誰でもいいので弁護士に依頼する、ということはやめましょう。
場合によっては、保険会社の提示が正しい場合もあります。
その場合には、弁護士に依頼する必要はありませんから、被害者ご本人で示談を成立させて構いません。
おすすめするのは、まずは弁護士に「依頼」ではなく、「相談」をすることです。
今は、多くの法律事務所が交通事故の相談を無料で受け付けています。
もちろん、みらい総合法律事務所でも、死亡事故と後遺症事案について無料相談を随時受け付けています。
まず、無料で弁護士に相談し、弁護士に依頼した方が得になりそうな場合に、初めて弁護士に依頼すればよいと思います。
その際、必ず契約書を締結して、報酬金額を確認しておきましょう。
「報酬は後で話し合いましょう」というようなことは避けてください。
また、交通事故の事案では、法律知識の他、医学的知識や自賠責後遺障害等級認定に関する実務知識、保険の知識などが要求されます。
弁護士であれば全員が、これらの分野に詳しいわけではありません。
やはり、交通事故に精通した、交通事故に強い弁護士に相談することが大切です。
交通事故に強い弁護士は、
- ①交通事故に特化したホームページがある
- ②交通事故の専門書を執筆している
- ③ニュース番組などから「交通事故の専門家」として取材を受けている
などの特徴があるので判断材料としていただければと思います。
弁護士費用は高額なのか?被害者が損をしない方法とは?
弁護士に依頼する際、被害者の方とご家族にとっては不安に感じることもあるかと思います。
そのひとつが、弁護士費用ではないでしょうか。
どうやら、弁護士費用は高い、というイメージが一般的にはあるようですが、実際の弁護士費用の内訳や基準を確認したことはありますか?
弁護士費用がすべて保険で賄える、あるいは裁判をすることで被害者の方の受け取る損害賠償金額が増えるケースがあることをご存知でしょうか?
ぜひ、以下のページをお読みになって下さい。
今まで「常識」と思っていたことが「非常識」に変わってしまうことでしょう。
弁護士に相談・依頼するにもベストのタイミングがある
何をするにしても、最適なタイミングというものがあります。
同じように、弁護士に相談・依頼する場合にもベストの時期というものがあるのです。
交通事故の被害により後遺症が残ってしまった場合は、症状固定後すぐにご相談いただくか、あるいは遅くとも示談金額の提示があった時点で弁護士に相談していただくことをおすすめしています。
“慰謝料の自動計算機”で自分の受け取り額を確認!
みらい総合法律事務所では、どなたでもお使いいただける慰謝料などの自動計算機をウェブ上にご用意しています。
指示に従って必要事項を記入するだけで慰謝料などの損害賠償金額を計算することができます。
簡単で便利なシステムですから、ぜひ活用してみてください。
もし、すでに加害者側の保険会社から金額の提示を受けているなら、それぞれの項目について自動計算機で計算された数字と比較してみてください。
保険会社から提示されている金額のほうが低いなら……それは適切な数字ではない可能性が高いですから、今すぐ弁護士に相談することをおすすめします。
自動計算機はこちら⇒「交通事故慰謝料自動計算機(後遺障害編)」
みらい総合法律事務所では、死亡事故と後遺症の示談に特化して専門性を高めながら、被害者の方の救済に全力を尽くしています。
また、「典型後遺障害と損害賠償実務」(ぎょうせい)など専門書を複数執筆しており、テレビ等のニュース番組などから「交通事故の専門家」として取材も受けています。
交通事故被害者の方とご家族は、いつでもご相談ください。
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代表社員 弁護士 谷原誠