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新車のもらい事故に対する評価損と損害賠償の請求方法を解説

最終更新日 2024年 11月15日

新車のもらい事故に対する評価損と損害賠償の請求方法を解説

車の価値は修復歴があるだけで下がるため、新車がもらい事故の被害にあった場合、思うような金額で車を処分することができなくなります。

事故による損害は加害者に賠償してもらうことができますが、車の修理代だけでなく、評価損も損害賠償の対象になりますので、本記事でもらい事故による評価損の計算方法および損害賠償の求め方をご確認ください。


交通事故で被害を受けた車の
「評価損」とは

事故車の評価損は、事故で損傷した自動車を修復した後の車両価格が、事故前の価額を下回った際の差額(損害)をいいます。

例として、事故前の買取価格が100万円の車が事故を受けたことで70万円まで下がった場合、評価損が30万円発生したことになります。

車を修理したとしても、評価損が生じてしまう主な理由は次の3点です。

  1. 事故車は修理後に不具合が発生しやすい
  2. 修理しても事故前の状態に完全に
    戻すことは困難
  3. 事故車は縁起が悪い

車は数多くの部品を組み合わせて作り上げますので、損傷部分以外の箇所にも不具合が出る可能性は否定できません。

たとえば、事故で車のフレームにゆがみが発生した場合、損傷した部品を交換しても事故前の状態まで完全に回復させるのは難しいです。

また、車の価値は人気に左右されますので、同じ種類・同じ値段の車が2台あれば事故にあっていない方の車が選ばれます。

修理した直後は問題なく動くかもしれませんが、新車に比べて早く故障するリスクがあるため、修理を行ったとしても車の価値が下がるのは避けられません。

交通事故の被害を受けた際に
認められる損害賠償

交通事故で被害を受けた場合、加害者に損害を被ったことに対する賠償を求めることができます。

交通事故の損害賠償の対象範囲

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損害賠償は、加害者の不法行為によって生じた損害を補填してもらうことをいい、法律では民法第709条の「不法行為に対する損害賠償」あるいは自賠法第3条で規定されています。

“民法第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。”

 

“自賠法第3条”
自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

 
交通事故の被害にあった場合、事故で被害者が受けた損害に応じて賠償金を請求できます。

損害賠償金は、一般的に事故で受けた怪我の治療費や仕事ができなくなったことによる減収、事故で受けた精神的苦痛を補償するために生じる金銭です。

事故の状況や過失割合などによって、受け取ることができる損害賠償金の額は違いますが、人身損害については、金額の大小にかかわらず、基本的に損害賠償金は税金の課税対象になりません。

そのため、損害賠償金を受け取ることができれば、その金額をそのまま治療等に充てることが可能です。

交通事故の人的損害と物的損害の
違い

交通事故が発生した際の損害は、「人的損害」と「物的損害」に分類されます。

人的損害は人を怪我させたり、死亡させた際に生じる損害をいい、治療費や休業損害、慰謝料などは人的損害に区分されます。

一方、物的損害は交通事故で物が破損したり、機能が失われた際に生じる損害です。

車をぶつけられた場合の修理費は物的損害に該当し、修理費だけでなく、修理が完了するまで利用した代車の費用等も物的損害に含まれます。

車の評価損は相手に損害賠償請求
できる?

事故により生じた評価損は物的損害に該当しますので、車の修理代以外の費用も加害者に請求できます

車両に生じた損害は
損害賠償請求の対象

交通事故で車が破損した場合、車両自体に生じた損害(物的損害)に対し、賠償を求めることになります。

加害者にぶつけられたことで生じたキズの修理費は請求できますし、車が大破した際には修理することは難しいため、車の買換費用を損害賠償金として求めることができます。

事故で車の価値が下がった場合には、事故により下がった車の価値(評価損)も損害賠償の対象になりますので、損害賠償を求めるときは修理代や買換費用だけでなく、評価損も加味してください。

しかし、現実的には、保険会社は評価損を認めることは少ないです。

車の評価損に対しての損害賠償が認められるケース

車の評価損を損害賠償の対象に含めるためには、評価損が実際に発生している根拠を示さなければなりません。

新車で購入してから十数年乗っていた車であれば、車自体の価値は低いため、評価損が発生するとしても算出される額は小さいです。

交通事故で被害を受けた車が
新車の場合の「評価損」

交通事故の被害にあった車が新車だった場合、評価損の金額に影響はあるのでしょうか?

評価損が認められるかどうかについて現在明確な基準があるわけではありませんが、購入からの経過期間や走行距離、車種(中古市場での人気かどうか)、国産の車なのか外車か、などいくつかの要素を総合的に考慮して検討されるため、古い車と比較して新車の方が評価損を認められる可能性が高い傾向にあります。

一般的には、初年度登録時期が新しい場合、評価損を認められやすい傾向にあります。

保険会社に請求する際の
交渉のしかた

評価損は修理代などと違い、具体的に発生した費用・代金がないので、損害賠償を求める際に交渉が難航することが想定されます。

評価損が事実だとしても、保険会社は評価損の補償を拒否することがあり、交渉に失敗すれば評価損に対する補償を受けられません。

そのため、損害賠償の交渉をする際は、評価損が発生した証拠を提示する準備が不可欠となりますので、状況次第では専門家に交渉を委任することも検討してください。

交通事故で低下した車の
評価損の計算方法

評価損の賠償を求める場合、事故により失った車の価値を適切な方法で算出しなければなりません。

事故車の査定方法

事故車となった車の評価損は、車種や損傷の度合い、修復歴などを考慮して行うことになるので、一般人が評価損を算出するのは難しいです。

車の査定を行う第三者機関としては「一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」があり、日本自動車査定協会に査定を依頼すれば、査定額の算出だけでなく事故減価額証明書を発行してもらうことができます。

損害賠償の交渉をする際には客観的に生じた評価損の金額を示す必要があるため、交渉をスムーズに進める手段の一つとして、事故減価額証明書を取得するのも選択肢です。

評価損を算定する計算基準

事故車の評価損の算定方法は法律で定められていませんが、裁判でも採用されている計算基準として「修理費基準法」と「総合勘案基準法」があります。

修理費基準法は、実際に要した修理費に一定割合を乗じて評価損を算定する方法で、裁判でも修理費基準法を用いて、修理費の何割かを評価損として認めたケースもあります。

総合勘案基準法は、被害を受けた車の車種や修理費、新車登録から事故発生時点までの年数などを総合的に勘案し、評価損を算定する方法です。

どちらの方法を用いる場合でも、評価損が客観的かつ合理的に妥当であることを証明しなければなりませんので、算定するためには専門的な知識が必須です。

評価損の相場・平均額

評価損の相場は、被害を受けた車の種類や被害状況などによって異なります。

たとえば、修理費基準法で評価損を算定する場合、修理費の20%から30%が評価損として算出されることが多いです。

評価損として認定される額としては、修理費の10%から50%の間になることが多いですが、評価損に対する損害賠償金はケースごとに違いますので、実際にどの程度の評価損が認められるかについては弁護士に確認してください。

但し、評価損が全く認められない場合もありますので、注意が必要です。

つまり、決まった結論はない、ということです。

評価損の請求を弁護士に相談する
メリット・デメリット

評価損の請求を弁護士に相談するメリット・デメリット

保険会社は評価損を認めない傾向にありますので、交渉を有利に進めたい場合には弁護士に依頼することも選択肢の一つです。

メリット1:示談交渉を
委任できる

弁護士に相談する最大のメリットは、損害賠償の有無だけでなく、賠償金として受け取れる額の目安や、交渉等で必要となる日数を把握できることが挙げられます。

弁護士や保険会社を除けば、事故に関する話し合いをした経験がある人はほとんどいませんし、保険会社と対峙するとなれば一般の方では知識・経験で劣勢に立たされます。

その点、弁護士に示談交渉を委任すれば、満額の損害賠償金を受け取ることもできますし、交渉を一任することで事故に関する手続き等の負担を軽減できます。

メリット2:必要な証拠書類を
収集しやすい

事故による評価損に対して損害賠償を求める場合、生じた損失額を証拠として提示しなければならないので、関係書類の収集は重要です。

事故から時間が経過すれば書類等を集めにくくなりますし、修理を依頼したタイミングで費用等も確認する必要があります。

被害を受けた方が必要になる書類を完璧に揃えるのは大変ですが、弁護士に依頼すれば必要書類を漏れなく集められますので、スムーズに交渉に挑むことができます。

メリット3:損害賠償を請求する手段が豊富

損害賠償を求める手段は、示談以外にも裁判などがあります。

示談が成立すれば裁判は不要ですが、大きな事故であれば裁判で損害賠償を求めることも検討しなければなりません。

ただ被害者が裁判を起こすのは労力を要しますので、裁判も視野に入れているときは、当初から弁護士に依頼した方がいいでしょう。

デメリット1:弁護士費用が
発生する

弁護士に依頼する際の懸念点として、弁護士費用の負担があります。
物的損害が小さければ補償される額も少ないため、弁護士費用の方が高くなることも考えられますが、自動車保険の弁護士費用特約を利用すれば、自己負担をゼロで弁護士に依頼することも可能となる場合があります。

デメリット2:依頼する
弁護士選びが難しい

弁護士は法律に関する専門家ですが、弁護士事務所によって得意分野・不得意分野が存在します。

交通事故の交渉が不得意な弁護士に依頼してしまうと、求めていた損害賠償金を得るのが難しいですし、示談が成立するまでの時間もかかってしまいます。

そのため、納得する形で新車のもらい事故の評価損を認めてもらいたい場合は、交通事故に関する交渉経験が豊富な弁護士事務所に依頼することが望ましいです。

まとめ

交通事故による車の評価損を認めてもらうためのハードルはいくつもありますが、条件や証拠が揃えば損害賠償を請求することは可能です。

損害賠償の交渉は専門知識を要しますし、当事者同士の話し合いではまとまらないことも考えられますので、愛車がもらい事故で損害を被った際は、弁護士に依頼することをオススメします。

なお、みらい総合法律事務所では、物損だけではご相談をお受けしておらず、人身損害とセットでご相談をお受けしております。

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