【実例付き】30代の交通事故の慰謝料の計算
30代の方が交通事故の被害で死亡された場合と、傷害(ケガ)を負って後遺症が残ってしまった場合の慰謝料について解説します。
被害者の方やご遺族が受け取ることができる損害賠償項目のうち、慰謝料は金額が大きくなるものの1つです。
そのため、加害者側の任意保険会社は慰謝料を適正金額よりも低く見積もり、被害者の方に提示してくることが多いです。
それを知らないと、被害者の方は低い金額で示談をしてしまい、精神的・肉体的だけでなく、損害賠償金でも大きな損失を被ってしまうことになります。
30代は、社会的にも責任が大きくなってくる時期ですから、交通事故で負った傷害(ケガ)で働けなってしまうと、仕事でも家庭でも収入面も含めて大きな損失を被ってしまうことになります。
さらに死亡事故で一家の支柱を失くしたり、配偶者を失くすことは、ご遺族にとって筆舌に尽くしがたい悲しみとなります。
そこで今回は、被害者の方が30代の場合の慰謝料の算定方法から適正な相場金額、慰謝料の増額方法、注意ポイントなどについてお話ししていきます。
みらい総合法律事務所で実際に解決した慰謝料等増額事例
まず、みなさんに知っていただきたいことは、実際の示談交渉の現実についてです。
みらい総合法律事務所では年間1,000件以上のご相談をいただいており、多くの事案で慰謝料などの増額を実現してきました。
豊富な解決実績の中から、ここでは30代の被害者の方の慰謝料等増額事例をご紹介することで、次のことがわかってくると思います。
- ・実際の交通事故の示談交渉では、どのようなことが行なわれているのか?
- ・加害者側の保険会社は、どのような主張をしてくるのか?
- ・弁護士が示談交渉に入ると、どのくらい増額して解決するのか?
30代の被害者の方やご遺族には、今後の示談交渉や弁護士への相談・依頼などの際の参考にしていただきたいと思います。
解決事例①31歳男性の死亡事故で慰謝料等が約1,640万円増額
引用元:みらい総合法律事務所
31歳の男性がバイクで直進中、右折車両に衝突された死亡事故です。
加害者側の任意保険会社は、被害者の方に対して慰謝料などの損害賠償金として約5,757万円を提示。
この金額が妥当なものか判断がつかなかったため、被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用しました。
弁護士が事故について精査したところ、保険会社が被害者の方の事故前年度の年収をもとに死亡逸失利益を算定していることが判明。
そこで、「示談交渉で主張していくことで、まだ増額が可能」との見解を伝えたところ、ご遺族が今後の示談交渉について弁護士に一任されることになりました。
弁護士が保険会社と交渉を開始しましたが決裂したため提訴。
裁判では、被害者の方の年収を転職予定の増額した金額で算定することが認められ、さらに過失割合が被害者の方に有利に認定されたため和解が成立。
最終的には約1,640万円増額の7,400万円で解決した事例です。
死亡事故の逸失利益について、動画でも解説しています。
以下の動画をご覧ください。
詳細はこちら→
「解決実績」
解決事例②34歳男性の死亡事故で慰謝料等が弁護士基準で認定され約9,345万円で解決
被害者 34歳 男性 ご相談の経緯 ご遺族は、事故直後から、みらい総合法律事務所の弁護士に依頼。
解決額 9345万6562円
引用元:みらい総合法律事務所
34歳の男性がバイクで走行中、右折トラックに衝突された死亡事故です。
ご遺族は事故発生直後から、みらい総合法律事務所に解決を依頼し、加害者の刑事裁判への被害者参加をしました。
刑事裁判が終了してから弁護士が加害者側の任意保険会社と交渉を開始し、最終的には慰謝料などがもっとも高額になる弁護士(裁判)基準で計算した金額で合意することができたため、約9,345万円で示談解決となったものです。
死亡事故のご遺族は、加害者の刑事事件に参加することができる場合があります。
動画で解説しましたので、ご視聴ください。
以下の動画をご覧ください。
詳細はこちら→
「解決実績」
解決事例③38歳男性の慰謝料等が驚きの約198倍に増額!
ご相談者 38歳 男性 部位 下腿部 ご相談の経緯 被害者は、弁護士に依頼して保険会社と示談交渉をしていましたが、提示金額に納得できず、みらい総合法律事務所の弁護士に交渉を依頼。
症状 左脛骨高原
骨折後遺障害等級 12級 保険会社
提示の示談金5万7793円 解決額 1150万円
(他の弁護士が交渉していた時の提示額の約198倍に増額)引用元:みらい総合法律事務所
38歳の男性がバイクで走行中、自動車に衝突されて左脛骨高原骨折の傷害(ケガ)を負った交通事故。
被害者の方が後遺障害等級の申請をしましたが非該当と判断され、地元の弁護士に示談交渉を依頼。
この弁護士と加害者側の任意保険会社が示談交渉をしたところ、わずか5万円ばかりの示談金を提示されました。
被害者の方は、この金額に納得できず、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、弁護士変更を行ないました。
当法律事務所の弁護士は、後遺障害等級が非該当ということから示談交渉による解決は困難と判断し、提訴。
裁判では弁護士が丁寧な立証活動を行なったことで、後遺障害等級12級が認められ、最終的な損害賠償金は1,150万円で解決となりました。
他の弁護士が交渉していた時から、じつに約198倍に慰謝料などが増額したことになります。
一度弁護士に依頼しても、途中で弁護士を変更したい場合があります。
その場合の注意点について、動画で解説しましたので、ご視聴ください。
詳細はこちら→
「解決実績」
解決事例④31歳女性の慰謝料等が約21.8倍に増額!
引用元:みらい総合法律事務所
31歳の女性が夜間、幹線道路を歩行横断中、直進車に衝突され、右足大腿骨転子部骨折の傷害を負った交通事故。
治療を続けたものの症状固定となり、右足の神経症状と外貌醜状の後遺症が残ってしまい、それぞれ12級13号と14級5号の後遺障害等級が認定されました。
加害者側の任意保険会社は、慰謝料などの損害賠償金として約43万円を提示。
この金額は低すぎると感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、弁護士の説明に納得がいったため、示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と示談交渉を開始。
保険会社は被害者の方の過失割合を大きく主張してきましたが、交渉を重ねることで調整され、最終的には950万円で解決した事例です。
保険会社の当初提示額から約21.8倍も増額したことになります。
被害者にも過失がある場合は、賠償額が減額されます。
それを「過失相殺」といいますが、動画で解説しましたので、ご視聴ください。
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「解決実績」
解決事例⑤31歳男性の慰謝料等が約3,000万円も増額
引用元:みらい総合法律事務所
31歳の男性(会社員)がバイクで交差点に進入した際、四輪車と衝突した交通事故。
左下肢開放骨折の傷害を負い、治療をしましたが左下肢切断となり、後遺障害等級5級5号が認定されました。
加害者側の任意保険会社は、慰謝料などの損害賠償金として約5,060万円を提示。
この金額の妥当性を確認するため、被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、弁護士の説明に納得がいったため示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉を開始したところ、保険会社は被害者の方の過失割合が大きいことと、逸失利益を低く主張してきたために争いとなり、交渉は決裂。
そこで弁護士が提訴して、裁判に進みました。
最終的に裁判所は弁護士の主張を認め、約3,000万円増額の8,100万円で解決した事例です。
事故がなければ得られたはずの収入(利益)を逸失利益といいます。
計算方法などを動画で解説していますので、ご視聴ください。
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「解決実績」
解決事例⑥37歳男性の慰謝料等が約14倍の1,000万円以上に増額
引用元:みらい総合法律事務所
37歳の男性が交通事故の被害にあい、肩の骨折などのケガの治療をしましたが症状固定となり、肩関節機能障害の後遺症が残ってしまいました。
後遺障害等級の申請をしたところ12級が認定され、加害者側の任意保険会社は被害者の方に対して、慰謝料などの損害賠償金として約77万円を提示。
後遺症が残り、仕事に支障があるのにこの金額は不当だと感じた被害者の方が、みらい総合法律事務所の無料相談を利用し、そのまま示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉をしましたが決裂したため提訴。
裁判では弁護士の主張が認められるなどして、最終的に1,100万円が認められた事例です。
当初提示額から約14倍に増額したことになります。
交通事故で裁判を起こすことに不安がある被害者がいらっしゃいます。
そこで、裁判を起こす場合の注意点を動画で解説しましたので、ご視聴ください。
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「解決実績」
入通院慰謝料(傷害慰謝料)を基準別に計算してみます
自賠責基準による入通院慰謝料の計算と注意ポイント
入通院慰謝料の自賠責基準での算定では、次の計算式を用います。
気をつけていただきたいのは、入通院日数(治療の対象日数)です。
次のどちらか短いほうが採用されるのです。
B)「実際に治療した日数×2」
たとえば、ここでは次の条件で計算してみます。
・実際に治療した日数:1か月の入院 = 30日間
3か月の通院のうち平均で週に2回の通院 = 13週 × 2日 = 26日間
A)「実際の治療期間」・・・120日
B)「実際に治療した日数×2」・・・(30日 + 26日) × 2 = 112
となるため、
B) 4,300円 × 112日 = 481,600円
この場合、日数が短いB)が採用されるので、481,600円が入通院慰謝料として認められるわけです。
弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定方法
弁護士(裁判)基準で入通院慰謝料を算定する際、計算式は使いません。
日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出していきます。
※算定表には、ケガの程度によって「軽傷用」と「重傷用」があります。
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなどの軽傷用)>
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(重傷用)>
ここでも、自賠責基準での計算例と同条件(1か月の入院+3か月の通院)で金額を算出してみます。
「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院3か月」が交わった部分を見ると、「115」となっているので、弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は「115万円」になります。
このように、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では慰謝料額が大きく違ってくることをまずは知っていただきたいと思います。
後遺障害慰謝料の相場金額早見表
後遺障害慰謝料は、被害者の方の後遺障害等級が認定されることで加害者側の任意保険会社から金額提示があるのが通常です。
後遺障害等級は、もっとも重度の1級から14級までが設定されています。
参考情報:「自賠責後遺障害等級表」(国土交通省)
後遺障害慰謝料は、あらかじめ等級によって相場金額が決められているため、ここでは自賠責基準と弁護士(裁判)基準での相場金額早見表を掲載します。
<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の金額表>
後遺障害慰謝料でも、基準の違いでこれほど金額が違ってくるということをぜひ知っておいていただきたいと思います。
なお、この早見表の金額はあくまでも相場です。
後遺障害慰謝料は増額する場合があるので、主張・立証するべき理由がある場合は一度、交通事故に強い弁護士に相談してみることをおすすめします。
死亡慰謝料の相場金額について
自賠責基準の場合の相場金額
自賠責基準による死亡慰謝料は、概ねの相場金額が決められています。
「自賠責基準による死亡慰謝料の金額早見表」
家族構成 | 金額 |
---|---|
本人 | 400万円(一律) |
遺族が1人の場合 | 550万円 |
遺族が2人の場合 | 650万円 |
遺族が3人以上の場合 | 750万円 |
扶養家族がいる場合 | 200万円が加算 |
※「遺族」には、亡くなった被害者の方の両親、配偶者、子が含まれる。
ここで注意をしていただきたいのは、自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と、「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われることです。
たとえば、被害者の方(30代)が家族の生計を支えていて、妻と2人の子供がいる場合の死亡慰謝料の相場金額(合計)は次のようになります。
弁護士(裁判)基準の場合の相場金額
弁護士(裁判)基準の場合も、死亡慰謝料は次のように概ねの金額が決められています。
<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額早見表>
被害者の状況 | 死亡慰謝料の目安 (近親者への支払い分を含む) |
---|---|
一家の支柱 | 2,800万円 |
母親、配偶者 | 2,500万円 |
独身の男女、子供、幼児等 | 2,000万円~2,500万円 |
たとえば30代の被害者の方が一家の支柱として家族の生計を支えていた場合の相場金額は2,800万円になります。
死亡慰謝料についても、自賠責基準と弁護士(裁判)基準では、金額に2倍以上の違いが出てくることを知っていただきたいと思います。
なお、上記の死亡慰謝料額もあくまで相場金額です。
事故の態様や被害者の方の固有の事情などによって、さらに増額する可能性があります。
加害者の悪質・危険運転など、慰謝料増額に該当する理由がある場合は一度、弁護士に相談されることをおすすめします。
どのような場合に、死亡事故の慰謝料の相場金額から増額するのか、事例で解説しましたので、ご視聴ください。
代表社員 弁護士 谷原誠