交通事故の年齢別の解決事例から慰謝料の相場を計算
目次
被害者の方は慰謝料を受け取ることができますが、加害者側の任意保険会社は低く見積もった金額を提示してくることがほとんどです。
しかも、被害者の方が単独で示談交渉をしても、慰謝料などの損害賠償金(示談金)の増額に応じることは、ほとんどありません。
そこで頼りになるのが、交通事故に強い弁護士という存在。
被害者の方から依頼を受けた弁護士は、保険会社との示談交渉で慰謝料等の増額を主張し、交渉が決裂した場合は提訴して裁判での増額決着を図ります。
みらい総合法律事務所では、年間に1,000件以上のご相談をいただいており、これまで数多くの事案を解決してきました。
そこで本記事では、交通事故の慰謝料の適正な相場金額を、みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例を参考にしながら、被害者の方の年齢別で見ていきたいと思います。
みらい総合法律事務所の実際の増額解決事例集
まず初めに、みらい総合法律事務所で実際に増額解決した死亡事故の事例について年齢別にご紹介していきます。
条件を合わせるために、すべて死亡事故の事例をご紹介します。
10歳未満、10代、20代、30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代のそれぞれ解決事例です。
・加害者側の任意保険会社との示談交渉に弁護士が入ると、どのくらい増額するのか。
・それぞれの年代で、どのくらいの慰謝料、損害賠償金を受け取ることができるのか。
ご自身やご家族の状況と照らし合わせながら、参考になさってください。
解決事例①7歳女児の損害賠償金が約1,800万円増額
7歳の女児(小学生)が自動車に同乗中、交差点で直進自動車に衝突されて亡くなった死亡事故です。
四十九日が過ぎ、加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として4,248万円を提示しました。
そこで、ご両親がこの金額の妥当性を確認するために、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。
弁護士の説明に納得できたことで、示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉したものの決裂したため、提訴して裁判に突入。
二審の高等裁判所まで争われることになりましたが、最終的には当初提示額から約1,800万円増額の6,000万円で解決することができました。
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「解決実績」
解決事例②17歳女性の損害賠償金が約3,000万円増額
17歳の女性が亡くなった死亡事故について、当初ご両親は地元の弁護士に依頼し、そこで慰謝料などの損害賠償金が約5,893万円になりました。
担当弁護士から、「裁判を起すと金額が下がってしまう可能性がある。ここで示談を成立させたらどうか」との提案があり、疑問を感じたご両親がセカンドオピニオンとして、みらい総合法律事務所の無料相談を利用しました。
弁護士からは「まだ増額は可能」との見解が示されたため、弁護士変更を行ない、みらい総合法律事務所に依頼されたという経緯がありました。
依頼を受けた弁護士が、裁判で決着をつけるため提訴。
加害者の飲酒運転や虚偽供述を主張・立証し、慰謝料増額を求めた結果、17歳女性の相場金額(2,000万円~2,500万円)を超える2,800万円が認定され、最終的な損害賠償額が約8,800万円で解決した事例です。
当初提示額から約3,000万円も増額したことになります。
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「解決実績」
解決事例③21歳男性の損害賠償金が約3,300万円増額
21歳の男性(学生)が路上にいたところ、直進してきた自動車に衝突された死亡事故。
加害者側の任意保険会社は、ご遺族に対して慰謝料などの示談金(損害賠償金)として、約6,171万円を提示。
この金額の妥当性を確認するため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用したご両親がは、そのまま示談交渉を依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉しましたが、被害者の方が路上にいたため過失割合で紛糾し、弁護士が提訴。
裁判では、弁護士が加害者の速度超過を主張・立証し、最終的には当初提示額から約3,300万円増額の9,500万円で解決となりました。
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「解決実績」
解決事例④31歳男性の損害賠償金が約1,642万円増額
31歳の男性がバイクで進行中、右折車両と衝突して亡くなった死亡事故です。
加害者側の任意保険会社は被害者のご遺族に対し、慰謝料などの損害賠償金として約5,757万円を提示。
この金額が適切なものか判断できなかったため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用して意見を求めました。
弁護士が事故内容を精査したところ、加害者側の保険会社は被害者の方の事故前年度の年収をもとに逸失利益を割り出していたことがわかり、この点からも弁護士の見解は「まだ増額可能」というものだったため、示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉しましたが決裂したため提訴。
裁判では、被害者の方が転職予定だった会社での年収で逸失利益を計算することが認められ、過失割合も被害者側に有利に判断されたことで、和解が成立。
最終的には、約1,600万円増額の7,400万円で解決することができた事例です。
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解決事例⑤40代男性の損害賠償金が約9,490万円で解決
40代の男性が飲酒して路上で寝ていたところ、自動車にひき逃げされた死亡事故について、ご遺族は当初から、みらい総合法律事務所に事故対応を依頼されました。
ご遺族は、加害者の刑事事件に被害者参加し、刑事事件の終了後、弁護士が提訴。
裁判で弁護士は、事故の悪質性から相場金額以上の慰謝料の増額を主張。
その結果、相場の慰謝料額が2,800万円のところ、被害者本人分が3,000万円、妻と子の近親者慰謝料が合計で400万円認められ、3,400万円に増額。
最終的な損害賠償額が約9,490万円で解決したものです。
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解決事例⑥55歳女性の損害賠償金が7,200万円で解決
55歳の女性(会社員)が青信号の横断歩道を歩行中の事故で亡くなり、ご遺族は加害者側の任意保険会社との示談交渉には一切かかわりたくないということから、みらい総合法律事務所に一任されたものです。
実際、死亡事故の場合、こうしたご遺族は多くいらっしゃいます。
弁護士は、過失割合は100対0で、被害者の過失がなかったことを主張。
さらには弁護士(裁判)基準で計算した慰謝料等を求めて交渉した結果、最終的には合意に達し、合計額7,200万円で解決した事例です。
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解決事例⑦62歳男性の損害賠償金が約2,400万円増額
62歳の男性が横断歩道を横断中、右折自動車に衝突され亡くなった死亡事故です。
加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として4,000万円を提示。
この金額の妥当性を確認するため、ご遺族がみらい総合法律事務所の無料相談を利用したところ、弁護士の見解は「増額可能」というものだったため、その後の示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉しましたが決裂したため提訴。
裁判では逸失利益が争点になりましたが、最終的には弁護士の主張が認められ、約6,433万円で解決となりました。
当初提示額から約2,400万円増額したことになります。
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解決事例⑧73歳女性の損害賠償金が約2.4倍に増額
73歳専業主婦の女性が青信号の横断歩道を歩行中、右折自動車に衝突され亡くなった死亡事故です。
加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約1,955万円を提示しましたが、この金額に疑問を感じたご遺族が確認のため、みらい総合法律事務所の無料相談を利用。
弁護士から「増額可能」との意見があったため、示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が交渉したところ、約2,700万円増額し、最終的には4,700万円で解決することができた事例です。
当初提示額から約2.4倍に増額したことになります。
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解決事例⑨85歳女性の損害賠償金が1,000万円増額
85歳の専業主婦の女性が信号機のある交差点を横断歩行中、前方から右折してきたトラックに衝突され亡くなりました。
加害者側の任意保険会社は慰謝料などの損害賠償金として約2,230万円を提示しましたが、
この金額の妥当性を確認するため、ご遺族がみらい総合法律事務所の無料相談を利用。
弁護士の見解は「増額可能」というものだったので、ご遺族は示談交渉のすべてを依頼されました。
弁護士が保険会社と交渉した結果、最終的に1,000万円の増額が提示されたため、合計3,200万円で示談解決となった事例です。
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解決事例⑩90歳女性の損害賠償金で3,100万円獲得
90歳の女性が道路を歩行中、後方から走行してきた自動車に衝突され亡くなった死亡事故です。
ご家族が話し合い、示談交渉は交通事故のプロに任せた方がいいとの結論に達し、みらい総合法律事務所に依頼されたという経緯がありました。
弁護士が保険会社と交渉しましたが、被害者の方が大変高齢だったことから、慰謝料と逸失利益について交渉が難航。
しかし、弁護士が粘り強く交渉を重ね、最終的には逸失利益も認められ、3,100万円で合意に至ったという事案です。
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死亡慰謝料の年齢別の金額比較
被害者の年代の違いによって慰謝料額は変わってくる
損害賠償金は、慰謝料の他にも逸失利益や葬儀費用などの各損害項目の合計額ですが、ここでは、年代が違うと死亡慰謝料がどのくらい違ってくるのかについて、弁護士(裁判)基準をもとに見ていきます。
5歳男児の場合
弁護士(裁判)基準では、独身の男女、子供、幼児等の区分による相場金額は、概ね2,000~2,500万円となるため、被害者が5歳児の場合ではこの範囲の死亡慰謝料が相場金額となります。
40歳男性の場合
40歳の男性で、配偶者(妻)や子供がいて、家族を経済的に支えている場合、死亡慰謝料はもっとも高額に設定されており、概ねの相場金額は2,800万円となります。
80歳女性の場合
専業主婦で配偶者の場合の弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料は、概ね2,500万円が相場金額となっています。
ただし、高齢者の場合はこの金額より低くなることが多いといえます。
入通院慰謝料の算定方法と相場金額について
ここでは、入通院慰謝料について、それぞれの基準別に計算していきながら、適正な相場金額について見ていきます。
自賠責基準による入通院慰謝料の計算式
入通院慰謝料を自賠責基準で計算する際は、1日あたりの金額が4,300円と定められており、次の計算式で算出します。
<入通院慰謝料(自賠責基準)の計算ではここに注意!>
入通院日数(治療の対象日数)について、次のどちらか短いほうが採用されることに注意してください。
A)「実際の治療期間」
B)「実際に治療した日数×2」
たとえば、次の条件で考えてみます。
- ・治療期間:4か月(1か月の入院+3か月の通院)=120日間
- ・実際に治療した日数:入院1か月=30日間
通院3か月(平均で週に2回の通院)=13週×2日=26日間
A)4,300円×120日=516,000円
B)4,300円×112日=481,600円
この場合、日数が短いB)が採用されるので、入通院慰謝料として認められるのは、481,600円になってしまうのです。
弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の計算の早見表
入通院慰謝料を弁護士(裁判)基準で算定する際は計算式は使わず、日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している『損害賠償額算定基準』に記載されている「入通院慰謝料の算定表」から金額を割り出していきます。
ケガの程度によって、「軽傷用」と「重傷用」の算定表があります。
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(むち打ちなどの軽傷用)>
<弁護士(裁判)基準による入通院慰謝料の算定表(重傷用)>
「重傷用」の表で、「入院1か月」と「通院3か月」(自賠責基準の時と同条件)が交わった部分を見てみると「115」となっています。
したがって、この場合の弁護士(裁判)基準での入通院慰謝料は115万円になります。
単純に比較するだけでも、自賠責基準と弁護士(裁判)基準の慰謝料額は5倍近くも違ってくるのです。
後遺障害慰謝料の算定方法と相場金額について
なぜ後遺障害等級が大切なのか?
後遺障害慰謝料を受け取るためには、ご自身の後遺障害等級の認定を受ける必要があります。
しかし、認定された後遺障害等級は絶対に正しいわけではない、ということを知ってください。
申請する時に必要な書類を提出しなかったり、記載内容に不備などがあれば、そのとおりに審査されて等級が認定されてしまうのです。
そこで、交通事故の被害者弁護に携わる弁護士は、ご相談をお受けした場合、まず認定された後遺障害等級が正しいかどうかの確認をします。
等級が間違っていると判断した場合は「異議申立」を行ない、正しい等級獲得を目指していきます。
後遺障害等級を上げることができれば慰謝料額も増額します。
異議申立を希望する場合、まずは弁護士に相談・依頼してみることをおすすめします。
金額早見表で等級別の後遺障害慰謝料を確認
後遺障害慰謝料は、被害者の方が認定された後遺障害等級によって、あらかじめ相場金額が定められています。
自賠責基準と弁護士(裁判)基準について、等級別の金額を早見表にまとめてみたので、ご自身の等級に照らし合わせて確認してください。
<自賠責基準・弁護士(裁判)基準による後遺障害慰謝料の早見表>
やはり、後遺障害慰謝料も弁護士(裁判)基準で計算した金額で示談をすることが大切なのです。
死亡慰謝料の算定方法と相場金額
自賠責基準による死亡慰謝料早見表
自賠責基準による死亡慰謝料は、あらかじめ相場金額が決められています。
「自賠責基準による死亡慰謝料の金額早見表」
家族構成 | 金額 |
---|---|
本人 | 400万円(一律) |
遺族が1人の場合 | 550万円 |
遺族が2人の場合 | 650万円 |
遺族が3人以上の場合 | 750万円 |
扶養家族がいる場合 | 200万円が加算 |
被害者の遺族には両親、配偶者、子が含まれます。
なお、自賠責基準による死亡慰謝料は、「被害者本人の死亡慰謝料」と「ご家族などの近親者慰謝料」を合計した金額で支払われます。
たとえば、被害者の方が家族の生計を支えており、妻と2人の子供がいる場合の死亡慰謝料の相場金額は次のように算定されます。
弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料早見表
弁護士(裁判)基準の場合でも、概ねの相場金額が決められています。
<弁護士(裁判)基準による死亡慰謝料の相場金額早見表>
被害者の状況 | 死亡慰謝料の目安 (近親者への支払い分を含む) |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
母親、配偶者 | 2500万円 |
独身の男女、子供、幼児等 | 2000万円~2500万円 |
ただし、上記の金額はあくまでも相場であり増額するケースもあることを知ってください。
たとえば加害者が、飲酒運転や無免許運転などの悪質な危険運転だった場合や、被害者の方の将来の夢が絶たれた、といったような特別な事情がある場合では慰謝料の増額が可能です。
このような事情がある場合は一度、交通事故に強い弁護士に相談されることをおすすめします。
交通事故の慰謝料などの示談交渉でお困りの場合は、まずは一度、みらい総合法律事務所にご相談下さい。
代表社員 弁護士 谷原誠